金曜サスペンス劇場

事件の概要はこうだ。

最近、我が家において未使用の封筒が何者かによって破損させられているという現象が多発している。

つい先日もＡ３用封筒がやられた。そして今日はＡ４用封筒だ。

犯行の手口には共通点が多い。まず第一に、狙われたのはいずれもビニールのパッケージに入った状態の封筒であるということ。第二にそれらは書斎の本棚に立てて収納されていたということ。そして第三に被害にあった封筒は全て、端の方にのみ何か鋭利なもので突き刺したような複数の穴が空いているということだ。それはまるで鋭い牙のような何かだ。

これらの共通点を踏まえ、我々捜査員は一連の事件を同一犯の犯行によるものとみている。

そしてこれまでの経験上、こういった事件では多くの場合、犯人は事件現場のすぐ近くにいるものなのだ。

よし、まずは現場周辺の聞き込みから開始だ。

とりあえずそこにいる猫から情報を聞き出してみよう。

…犯人は意外と近くにいる。刑事の勘がそう言っているのだ。