人情うどん

　丸一日オフ、というのは実に半月ぶりのこと。

　久しぶりの晴天だったので洗濯機をぐるぐるしつつ、ＤＶＤ鑑賞。

　今日は屋内修繕の業者さんが来るので家を空けるわけにはいかない。と、いう理由で洗濯物を干した後は『ドクターハウス』を日本語版で数話分立て続けに観る。

　その合間に業者さんがやってきて修繕をしてくれた。

　気がついたら何も食べないまま4時すぎになっている。

　何かに熱中すると食べるのを後回しにしてしまうのは良くない癖だと知りつつも…。

　修繕も終わったところでさすがに空腹に耐えきれず食べ物を求めて外へ。

　夕飯の時間まであまり間がないのでそれほどガッツリ食べるわけにはいかない。そうだ、そばかうどんなんかはどうだろう。ちょっと暑いし、冷やしうどんなんか食べたいなぁ。

　そんな風に考えながらふらふらと歩いていると、「うどん」の文字が。

　こりゃあ渡りに舟、冷たいうどんでも頂くべぇ、と店に入る。時間が時間だけに客は全く居なかった。

　「いらっしゃい」と店のおじさん。「うちは初めて？」と聞かれ「そうなんです」と答えると、おじさんは手順を丁寧に説明してくれた。ここはセルフサービスのお店で、ベースとなるうどんかそばを注文したらトッピングの天ぷら類は自分で取って、カウンターで精算してから食べるシステムらしい。

　「かきあげは120円で、そっちの盛り合わせは200円だよ」「あれ？このかきあげの隣にあるちくわ天はいくらです？」「ああ、それは本当は80円だけど、特別にサービスするよ」「わぁ、ありがとうございます♪」

　そんなこんなでちくわ天を無料ゲットした手前、何か有料のトッピングを加えなければ申し訳ないと思い、結果的にちくわ天とかきあげの二大揚げ物トッピング。

　おまけにおじさん「お兄ちゃん、俺の息子にそっくりだから大盛りサービスしてあげるよ！」と出てきたうどんは超大盛り。

　「ありがとうございます！」とニコニコしながら受け取ったものの…これは結構なガッツリっぷりだ。

　その後もおじさんは食べている僕のところへ来て、「俺は木・金・土のシフトだから、また食べに来て」とか「いやぁ、本当に息子に会ったみてぇだな」と上機嫌。

　帰り際にも「いやぁ、それにしても息子に似てるわ」と一言。よほど息子さんと僕が似てたんでしょうね。そう思うとなんだかおじさんもうちの父になんとなく似ているような気がしてきますよ。

　うどんがつなぐ人の縁。 

　おかげさまで夕飯タイムを前にしてお腹いっぱい（＾－＾；）

　「人情うどん」の一幕でございました。おそまつ。